生命保険の非課税枠の利用
今すぐできる相続税対策―生命保険で節税しよう。
1、生命保険の非課税枠を利用していますか。
生命保険は、相続税対策の面からみますと、節税方法として有効なのです。
なぜなら、生命保険金には相続人一人当たり金500万円の非課税枠が設定されているからです。
例えば、夫Aが亡くなり、妻Bと長男Cと長女Dが相続人だとします。
この場合長男Cが1500万円の死亡保険金をもらうとすると1500万円全額が非課税になり、節税できます。
500万円×相続人 3人= 1500万円
自分の加入している生命保険を見直し、死亡保険金額が非課税枠に達していないときは、あらたな生命保険の加入を考えるべきです。
「80歳の高齢だし今から生命保険に加入できるだろうか。」と心配される方がいらっしゃるかもしれません。
しかし特別の病気がなければ90歳位まで加入できる生命保険があります。
そのような保険は、預金代わりの一時払い生命保険という商品で、保険料に対する上乗せは、ほとんどありません。
それでも相続税の節税という意味で加入するメリットがあります。
例えば前例のA夫が退職金3000万円を預金していたが生命保険がないとすれば、預金の内金1500万円を一時払い生命保険に回せば非課税枠1500万円を利用して相続税を節税できます。預金として3000万円残したままでは3000万円が相続税の課税対象だからです。
リーガル東京では、ファイナンシャルプランナーの資格を有する弁護士兼税理士が、節税になる適切な保険商品をご紹介しております。お気軽にご相談ください。
2、生命保険のメリットとは?
①相続財産が分割しにくいとき(主な財産が不動産のとき)、他の相続人を保険金受取人とする生命保険金で遺産分けを解決する。
例えば、父親Aが長男Bに主な財産である不動産を全部相続させたいとき、そのような内容の遺言を作成したとしても他の相続人(妻や長男以外の子)には遺留分(法定相続分の2分の1相当)があります。その遺留分対策として受取人を長男B、被保険者を父親Aとする生命保険に加入し、死亡保険金から遺留分相当額を支払うのです。
この場合の保険契約者ですが、父親Aが保険契約者ですと死亡保険金は、課税対象となる相続財産とされます。受取人が特定の人に指定された生命保険金は、民法上の相続財産ではないのですが、相続税法上、相続財産とみなされます。長男Bが保険契約者ですと、長男Bが受け取った死亡保険金は長男Bの一時所得として所得税の課税対象となります。なお長男Bが支払った保険料ですが、長男が自己負担していればよいですが、父親Aから生前贈与された預金で支払っていた場合には生前贈与された金額が遺留分算定のときに加算されますので注意しましょう。
②生命保険金は、生前受取人を指定できますから、遺言するのと同じ効果があります。受取人を指定すれば、死亡保険金の分配方法で相続人同士が争うことを避けられます。受取人を指定した死亡保険金は、民法上の相続財産ではないからです。但し、本来の相続財産が少なく、死亡保険金がかなり多いときは、特別受益として一定額を相続財産に持ち戻しされる場合がありますので、注意してください。
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この記事の監修者
弁護士・税理士・ファイナンシャルプランナー(AFP)
小林 幸与(こばやし さちよ)
〇経歴
明治大学法学部卒業、昭和61年に弁護士登録。現在は第一東京弁護士会所属の弁護士に加え、東京税理士会所属の税理士、日本FP協会認定AFP資格者。
日弁連代議員のほか、所属弁護士会で常議員・法律相談運営委員会委員・消費者問題対策委員会委員など公務を歴任。
豊島区で20年以上前から弁護士事務所を開業。現在は銀座・池袋に事務所を構える「弁護士法人リーガル東京・税理士法人リーガル東京」の代表として、弁護士・税理士・ファイナンシャルプランナーの三資格を活かし活動している。