生前遺産分割の進め方について
生前贈与を効率的に行うことは遺産分割対策や節税対策として有効な方法といわれています。後継者に農地や事業用資産を生前贈与することで、円滑に資産承継ができたり、遺産分割協議で分割することが難しい財産を生前贈与することで、相続争いが避けられたり、相続時精算課税制度の活用によって被相続人の生前に一括して高額の財産を承継させることが可能になるなど様々なメリットがあります。生前贈与を効率的に行うためには税務の専門知識を有する税理士に相談することをおすすめします。
生前遺産分割とはその人の意思がしっかりしている間に、財産の分け方を決めておくことです。より多くの財産を残したり、残された相続人間でもめないように、できるだけ節税することができるよう準備することといえます。そのためには税務の専門家である税理士に相談しておくことをおすすめします。
例えば、贈与税は相続税と比較すると税率は高くなりますが、年110万円までの基礎控除を利用し、時間をかけることで節税効果を高めることが可能です。例えば、法定相続人が3人、贈与期間が15年とすると、控除限度額と同等の贈与を毎年行った場合には、110万円×3人×15年=4950万円の財産を無税贈与できることになります。ただし、規則的な毎年の贈与は税務署に各年贈与と認められない場合もあります。
この贈与が認定されない場合には定期金贈与として多額の贈与税が課税されます。そうなると、税額も高額なものになってしまいます。そこで、毎年違う時期に違う金額で、違う財産を贈与したりすることで、年110万円までの基礎控除を利用した節税対策が可能になるといわれます。このような生前贈与については税理士に相談することで、基礎控除を利用した生前贈与のポイントを税金面などから具体的にアドバイスしてもらうことができるでしょう。
生前遺産分割を進める際には相続税額の試算や納税資金についての計算、分割による相続税額の試算等が必要となりますので、できるだけ相続に詳しい税理士に相談することをおすすめします。
生前遺産分割の進め方の流れとしては、まず、被相続人の財産および債務をはっきりさせる必要があります。そして将来的な財産および債務についても考慮し、現状で相続した場合の税額を計算します。おおまかな相続税額が把握したら、次のステップとして、誰にどの財産を相続させるかといった点を具体化します。この場合、税務上の特例や次の相続人のことまで考えた上で、どの方法が最も適切であるかといった分割案について検討します。分割案に基づく各人の相続税額の算出を試みながら、同時に、納税資金の確保といった点についてもよく検討します。
生前遺産分割はたいへん複雑な作業といえます。生前遺産分割を行う際には、戦略的贈与の観点から、遺言作成や後見制度、相続発生後の相続税申告や遺産分割協議など幅広い範囲にわたる視点も必要とされます。最適な財産承継を実現するためにはこれらの知識を活用し、相続税法の改正の流れなどを踏まえた上でのアドバイスも必要になります。相続税の節税や最適配分の遺産分割を実現するために、税理士などの専門家に生前遺産分割の進め方を相談することをおすすめします。税理士は相続について税務に関する専門知識を有していますので、しっかりとしたコーディネイトを行ってもらえます。