相続税の申告をしなかった場合のペナルティとは
大事な親御さんを亡くしてしまった時には、お葬式や各種の手続きなどで忙しくなり、税理士などにも税金の事について依頼せずについつい遺産相続の相続税の申告を忘れてしまう事が多いようです。忘れてしまいがちな遺産相続の相続税申告と税理士への税金対策の依頼ですが、相続税の申告義務があるにもかかわらず、相続税の申告忘れにはペナルティが課されます。
■相続税の申告を忘れてしまったらどうなる
相続税の申告については、申告期限は「相続人が死亡することを知った日」(通常は遺産を残す方が亡くなられた日)の翌日から10ヶ月以内と決められています。この10ヶ月間の相続税の申告期限内に相続税の申告を行わなかった場合にはペナルティとしての税金が課される事となります。
■相続税の申告を忘れた場合のペナルティである税金について
相続税の申告を忘れた場合のペナルティとしては、以下に挙げる税金が課されることとなります。
・延滞税
相続税が納期限内に納付されなかった場合、原則として相続税の納付期限の翌日から相続税が納付されるまでの期間の日数に応じて相続税の利息としての性格を有する延滞税が課される事となります。
・過少申告加算税
相続税の税金を誤って少ない金額を申告してしまった場合には、過失の有無にかかわらず過少申告加算税がペナルティとして課される事となります。
・無申告加算税
相続税の申告書を提出し忘れた場合で、その後自主的に申告期限後に相続税申告書を提出した場合などには、無申告加算税がペナルティとして課される事となります。
・重加算税
相続税の申告書を提出していても、その申告書にあるはずの財産を故意に記入しなかったり、財産の証拠書類を偽造した場合には、重加算税がペナルティとして課される事となります。
これらの相続税の申告にかかわるペナルティとしての税金は、相続人が誤って過失で相続税の申告を忘れていた場合と相続人本人がペナルティを知って分かっていた上で証拠書類の偽造や財産を記入しないなどの行為を行った場合では税率が異なってきます。
■相続税がゼロ円でも、申告が必要なケースとは
2015年1月以降については、相続税の基礎控除額が引き下げられたので、それまで2014年末の時点では相続税がゼロ円、つまり相続税が発生しなかったケースでも2015年以降では相続税が発生するという場合があります。
ただし、2015年1月以降でも小規模宅地等の特例または配偶者にかかる税額の軽減制度などを利用して相続税を支払わずに済むケースもあります。
このような小規模宅地等の特例や配偶者にかかる税額の軽減制度を利用した場合には、『相続税がゼロ円でも、相続税を申告する必要がある』のです。
特例制度を利用して相続税をゼロ円とした場合にも相続税の申告期限と納付期限は共に10ヶ月以内となりますので、相続税がゼロ円でかからなかったからといって申告しないのではなく、税理士に相談するなどして必ず相続税の申告は10ヶ月以内に行うようにして下さい。
■相続税の相談は税理士がおすすめ
相続税の申告期限と納付期限である10ヶ月間という期間は税理士に依頼していない場合は特に日常の生活を送っている内に意外と素早く過ぎてしまうものです。
相続が発生した場合に、相続人の方が自分自身でまず相続額が幾らなのかを計算し、相続額が相続税が発生する基準額以上だった場合にはまず税金対策のプロである税理士に相談される事をおすすめします。
相続が発生する場合には税理士などのプロが仲介者として存在しないと遺産の分割が上手くゆかずにトラブルになる事も多いので、相続税の申告手続きや納付手続き、そして遺産にまつわるトラブルに巻き込まれないようにする為にも、税金対策のプロである税理士に相談する事が重要です。