相続税還付について
相続税還付についてご存知なかたは少ないのかもしれません。相続税を支払う際、きちんと税理士が計算して納めた相続税であっても、実は還付される事例があるのです。相続税が高額になるのは主に土地などの評価が高くなっている場合です。現金で数億円もためている方はほとんどいません。土地評価が高くなって結果課税対象とされる資産が高額になってしまうことが大半です。この土地評価が問題なのです。税理士さんの本業はあくまで税務のため、土地評価は本業ではありません。土地評価について本業である不動産鑑定士と連携していたり、長年の経験で土地について詳しかったりする税理士さんならば問題のですが、あまり詳しくない税理士さんですと土地評価について路線価などを基準とした過大な評価を行ってしまい、結果として課税対象を大きくしてしまう例が後を立たないのです。通常の宅地程度であれば問題ありませんが、広大な土地であったり、匂いがひどい工場の中にあったりと不動産は個別性の強い特徴を持っています。それらの取引事例について熟知することはすべての税理士さんには難しいことだと思います。相続税が高額と悩む方は土地について専門の税理士さんや、不動産鑑定士さんに相談することをお勧めします。
相続税が発生する原因の多くは土地の価格が高額である場合です。その土地の鑑定価格を大きく下げる要因があるとしたら、税金が大幅に安くなることも納得していただけるのではないでしょうか。相続税に関しては税理士さんが実際の業務を行います。そしてその業務の中で正確な土地鑑定を不動産鑑定士に依頼する事例は多くはありません。なぜなら、税理士さんの扱う事例の多くは戸建などの一般的な住居であり、その多くは課税対象とならないレベルの金額に収まってしまうからです。これが曲者で、税理士さんによっては土地の金額が高額になっても、普段通りのお仕事をされてしまい、相続税額が高くなってしまう事例が後を立たないのです。実は土地の評価額を減額する理由としてはかなりの数の理由が認められています。周囲よりも極端に大きな家、屋根のない駐車場、形の悪い土地、私道、高圧線など敷地内を通っているものがある、建物が複数ある、セットバックがある、道路が狭い、などなどひとつひとつあげればきりがありません。このような評価が下がりやすい土地であれば、大幅に相続税の評価額を下げることができるのです。
還付のための具体的な手順としては、税理士さんと相談して相続税を支払った後でも、再度不動産鑑定士さんに相談することをお勧めします。不動産鑑定士が対象となる土地建物を簡易査定後、還付の可能性が高ければ相続税還付の委託契約を締結することになります。詳細調査後、税務署に鑑定評価書を送付し、そのご指定口座へ還付金が支払われることになります。不動産鑑定士さんによって着手金をとる場合と成果報酬制をとる場合がありますので、報酬についてはよく確認してください。いずれにせよ、特に何か大きな作業が必要になる訳ではありませんので、再調査の負担は大きくないと思われます。相続税を支払ってから一般には5年以内であればこの相続税還付は認められる場合が多くあります。たとえいったん相続税が支払えなくて土地を売却してしまっていても、相続税の還付は可能です。相続税について税理士さんに相談するのは必要なことだと思います。しかし、その内容について少しでも疑問点があるようでしたら、セカンドオピニオンとして不動産鑑定士も活用されてはいかがでしょうか。既に支払った相続税が帰ってくるかもしれません。