相続税対策にはどのようなものがあるのか
相続税というものは、遺産総額が基礎控除額を超えている場合には誰もが支払わなければならないものです。相続税をできるだけ支払わなくても良いように、相続開始にできる対策を紹介していきます。
1.不動産を利用した減額方法
これは不動産を購入することで、相続税を減らすという方法です。実は、相続する遺産は現金よりも不動産で持っていたほうが、評価額が低くなるために相続税の額が減るのです。ただし、固定資産税がかかるなどのデメリットも存在します。税理士に相談すると、不動産購入を勧める税理士は半分といったところです。
ただし、息子夫婦などに家を買ってあげる予定がある場合には、亡くなってしまう前に購入しておいたほうが良いです。そのほうが、子供たちに渡る遺産は多くなります。
2.借金を利用した税金対策
借金をしておくと、相続税を大きく減額することができます。これは借金の全額が債務控除になるためです。
当然ですが、返せる範囲で借金をするようにしてください。返せない金額の借金をしてしまうと、子供たちが困るだけです。
方法としては、払うお金があるにも関わらず借金をして、不動産などを購入するという方法です。更地をそのまま持っておくと税金が高くなってしまうため、あえて借金をしてそこに建物を建てることによって、二重の節税対策を行うという人もいます。
借金をして対策を行う場合には、税理士などに相談をして、どのようなところにお金を使ったらいいかということをアドバイスしてもらったほうが良いです。税理士は税金のプロですから、最善の判断をしてくれます。
3.生前贈与を行う
生前贈与を行い、持っている財産を事前に贈与しておくことによって、相続税を減額するという方法もあります。持っている財産が減るため、当然のように支払う税金も少なくて済むのです。
このやり方の問題は、財産を贈与すると贈与税がかかってしまうということです。ただし、110万円以下であれば贈与税はかからないことになっています。そのため、この上限金額に満たない贈与を毎年少しずつ行っていけば、相続税や贈与税を支払わずに、贈与できるということになります。
かなり地味な方法に見えますが、意外と効果はあるものです。子供が三人いれば、330万円分贈与できるということですので、何年も続ければかなり大きな金額になります。
ただ、この際に注意しておかなければならないのは、亡くなられた日から三年以内に贈与したものについては、相続税がかかることになってしまいます。やるならば、早めに行っておかなければ意味がないということです。税理士などにその旨を伝えておけば、毎年知らせてくれますので、忘れてしまうことを防げるでしょう。
4.優秀な税理士に依頼する
極論ですが、一番確実で堅実な方法です。税理士は税金のプロですから、私たちが考えもしないような節税対策を思いつくものなのです。ただし、優秀な人間でなければ意味がありません。
見分けるポイントとしては、しっかりと相手の立場に立って考えられる人間か、ということです。税理士の中には、自分の職業に対して妙に自身を持ち、高圧的に接してくる人間や、自分の価値観で物事の尺度を図るような自己中心的な人間が存在します。顧客第一でこちらの話をじっくりと聞いてくれる相手を探すようにしましょう。
他にも、返答が早いかどうかというのも重要なポイントです。質問をしても返事が何日もないというような場合は、事務所内の連絡がうまく伝わっていなかったり、教育が行き届いていなかったりするものです。資格さえ持っておけば誰でも優秀というわけではないので、しっかりと吟味するようにしましょう。
以上が相続税対策となります。自分の子供のためになることですので、迷惑をかけないようにしっかりと対策を行っておくようにしましょう。