期限後申告になり相続税を納付したが、後日税金還付された例
依頼者
小山様(仮名・東京都在住・70代・無職)
(相談の内容)
小山様は、当初弁護士法人リーガル東京に、「同居の母親が亡くなり、自宅やアパート、預金などの遺産があるが、別居して他県にいる弟甲には少しの遺産だけやり私が大部分相続したい。」という相談にみえました。
相談時には相続税申告が必要な遺産かどうか不明でした。小山様に事情聴取しましたが、高齢のためか忘却していることが多かったからです。
(解決の内容)
弁護士法人リーガル東京が、遺産調査と遺産分割協議交渉を先ず受任しました。小山様には、母親の遺言がなく、弟甲が母親から生前贈与された事実もないので、弟が同意しないなら希望通りの遺産分割ができないと回答しました。
いずれにしても遺産の全容を把握しないとならないため、自宅不動産以外に、預金・株式・生命保険・他の不動産等がないのか、事情聴取しました。半年以上にわたり資料請求と事情聴取を重ねましたが、高齢のためか毎回のように「別の銀行の通帳が見つかった」とか「○○会社の株式があるかもしれない」とか「他の不動産が今どうなっているかわからない」との態度で、遺産の全容がわかったときには申告期限を過ぎていました。
相続税申告が必要な遺産内容であることがわかり、税理士法人リーガル東京が、相続税申告を受任しました。その頃に弟甲は、弁護士に依頼し、小山様に遺産分割協議調停を起こしていましたので、弟甲は別の税理士に相続税申告を依頼しました。
遺産として自宅のほか他県に数箇所の土地建物がありましたので、税理士法人リーガル東京の担当税理士らで現地に行き土地の概算実測や利用状況確認を行い、相続税評価額を算定しました。他の遺産を含め、未分割として小山様の相続税申告をしました。
期限後申告でしたので、無申告加算税と延滞税が賦課されたのですが、税理士法33条の2に基づく書面に期限後申告になってしまった事情を記載し、税率を軽減してもらい、かつ遺産分割調停中であったことから、期限後3年以内の分割見込書を提出し、小規模宅地の評価減特例などが後日利用できるようにしました。
その後、弟甲と家庭裁判所で遺産分割調停が成立しました。リーガル東京の弁護士の尽力で、小山様が自宅のほか相当額の株式を相続できたことから、全遺産の3分の2位を相続する形になりました。小山様が自宅を相続できましたので、小規模宅地(特定居住用宅地)の評価減特例を利用して相続税評価額の80%減ができました。これにより相続税が0円になり、更正の請求をして、納付した相続税の全額還付を受けられました。
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この記事の監修者
弁護士・税理士・ファイナンシャルプランナー(AFP)
小林 幸与(こばやし さちよ)
〇経歴
明治大学法学部卒業、昭和61年に弁護士登録。現在は第一東京弁護士会所属の弁護士に加え、東京税理士会所属の税理士、日本FP協会認定AFP資格者。
日弁連代議員のほか、所属弁護士会で常議員・法律相談運営委員会委員・消費者問題対策委員会委員など公務を歴任。
豊島区で20年以上前から弁護士事務所を開業。現在は銀座・池袋に事務所を構える「弁護士法人リーガル東京・税理士法人リーガル東京」の代表として、弁護士・税理士・ファイナンシャルプランナーの三資格を活かし活動している。